盛和塾 読後感想文 第七号

(有) ヤングドライ金沢の代表取締役 栃谷義隆さんの経験した従業員の退職事件は、“小善は大悪に似たり” の典型的な例だと思います。こういう経験をしないと塾長のおっしゃっている “矛盾する両極端の考え方を同じ人が持ち、それを正常に機能できる能力が現代における最高の知性” という考えがわからないのではないかと思います。

しかし、栃谷さんは大変良い事を学ばれた様で、私も自分の経営思想をしっかりと持たなくてはと思いました。 (株)タニサケ代表取締役社長 松岡浩さんの体験発表、ゴキブリキャップという新しい製品の発見ー付加価値の高い製品を手掛けたこと、経験豊かなパートタイマーや顧問団の採用ーこれもユニークな顧用形態、時代を先取りするアイデアを取り入れたこと。従業員に提案をお願いして5百円の謝礼というのも、従業員にヤル気を出させる仕組み、これも松岡さんの柔軟な考え方に由来していると思います。社内報を社外にも発表しているー従業員60名に対して千三百部の社内報の発行ーこれもユニークなアイデアと思います。

それに加えて、“先に立ち、我も立つ” しっかりした哲学のもとに経営をされているのに感心しました。 人生道場を作るという確固とした考え方、又それを4点に絞り込み、実践されているのは素晴らしいと思います。

従業員を愛する: 1、給料が、高いこと 2、やりがいのある職場 3、何でも話し合える職場 4、社会に受け入れられること。 (株) ピコイ代表取締役社長、近藤建さんの野武士を想わせるような力強い経営の進め方ー“壁は自らの力で破る”。これに同感です。

いかに成功した人から学んでも自らの力で壁を破らなければ、決して私どもの会社の経営が良くならないと思います。 本田宗一郎さんが、公演会をされた時に、ドタ靴をはいてきて壇上にあがり、“こんな公演会に来るより、自分の会社の工場で仕事をした方が良い” とおっしゃったそうですが、自ら実践することからしか経営を学ぶことは、出来ないと思っています。

塾長講話の中で “利他の心” “純粋な心” を維持していれば、まわりが成功をもたらしてくれるということが述べられています。“仁は人の心なり、義は人の路なり。その心を放して求むるを知らず” (孟子)。私達が失ってきた “利他の心” をしっかりと取り戻すことが事業が成功するのに、必要だと塾長は述べられています。

“利他の心” とは相手の方を充分理解し相手の人が喜ぶこと、相手の人に役立つことをすることかなと思います。事業に成功するにはお客様の立場に立って、新製品を考える、新しい技術を考える。新たな市場を開拓する等、しっかりと考え、実行することーこれが “利他の心” の実践かなと思いました。