盛和塾 読後感想文 第十号

今、ここに生きる塾長の一言

“塾長はご自身の時間と肉体を削りながら、我々に教えていただいているのを強く感じて、言葉以上の感動を憶えた” と本坊浩幸専務取締役 (薩摩酒造(株)) が述べておられます。 “利他の心” は行動を要求します。行動を伴なう利他の心は、説得力、感動を人に与えます。行動/実践はますます利他の心を磨き、人間の心を磨きます。

私は利他の心で今日一日何をしたのか、問いただしてみるのも良いと思います。

(株)指宿ロイヤルホテル社長、有村佳子さんの “乗っ取り屋” の話は本当に勉強になります。“私は乗っ取り屋に狙われた被害者だと思っていましたが、実は私が呼び込んでいたんですね。” 争点がお金から従業員を守るということになって、乗っ取り屋があきらめたのです。私心が消えた為に動機が善に変わった為に問題がなくなったわけです。塾長は “あなたに何も災難はなかったのです。あなたの心が災難を自分で作っていたのです” と述べられています。

ブラジルのタニプラザホテル社長 谷広海さん、2泊3日で例会に駆けつけておられるようですが、盛和塾で学ぶ努力には脱帽です。

原理原則の一つもなかったことに気づき、とにかくやってみようと決められた、行動を通じて学ぶ姿勢は大切ですし、私が大好きなやり方です。

谷さんは安保闘争にかかわられたそうですが、すでに若いころから、世の為、人の為にという思いをずっと持っておられたように思います。

(株)指宿ロイヤルホテル社長 有村佳子さん、塾長にボロクソに言われて、今迄できないことの理由付けを言い訳をして、自分を納得させていたことに気が付かれたのです。よくある話。私も耳が痛い。“言い訳を言うな”   “このバカ” と自分に言ってます。

谷さんのお話

従業員の物心両面の幸せの第一歩として従業員との対話から始められ、会議を通じて各人に発言させ、主任達が谷さんの言われたことを伝えるという一番大事なことをまじめにやっておられます。こういう事が続けられるかどうかが、第一歩だと思います。この基本的なことが土台となってはじめて従業員の物心両面の幸せ追求の道が開かれていくように思います。

谷さんの言葉をポルトガル語に訳して少しづつ進んでおられます。私は英語に訳して、従業員と週に一回、勉強会をしています。しかし、まだまだ、従業員から、積極的に会議で発言するところまで、至っておりません。いつの日か、自分の言葉で、お客様に経営思想を仕事の中で語ってくれるようにと願っています。

 

人生の醍醐味を体感できる経営

従業員を自ら奮い立たせるきっかけを与えられる経営者に

リーダーシップのある人は部下を引っ張る力があると言います。もし、“従業員を自ら奮い立たせる、自分から進んで会社をいい方向に引っ張っていくような意識になってくれるのが、一番いいわけです。”  と塾長は言われています。

会社は従業員の物心両面の幸せにある

リーダーは強烈な思想・哲学をもって、自らの言葉で、従業員に語りかけ、“会社は従業  員の物心両面の幸せにある” ということを伝え、従業員に納得してもらわなければなりません。塾長の発見し、到達した “企業の目指すもの” は、誰からか教えられたものではなく、塾長自らが従業員との3日3晩の団体交渉の結果、発見したのもです。そういう意味   では、塾長に負けないぐらい団体交渉に来た若い従業員も “会社は従業員の物心両面の幸せにある” という考えを生み出すことに3日3晩協力したと言えます。

“塾長は本当に正直な男だ” と私は思いました。“企業の目指すもの” は苦労して生まれたもので、自分が生み出したものではなく、若い従業員を集めて、神が稲盛塾長を通じて、語らせたように思いました。

こうして苦労して生まれたものは、新製品(稲盛哲学)として、他に比べようのないユニー クな製品(哲学)だと思います。

経営というのはすばらしい

長年赤字で苦労した会社が黒字に転換したときは、従業員の顔色も良くなるし、喜んでくれる、それを見ていると嬉しくなって経営とはかくも楽しいものかと思ったとありました。

その道は平らかならず。労組との長年の交渉、又、従業員との絶えざる話し合い、弛みない努力の結果が従業員が喜んで働いてくれる職場になったわけです。

“名経営者とは経営そのものに我を忘れて没頭できるんだ。” と塾長は結んでおられます。

岡田工業株式会社岡田和夫代表取締役社長

“よけいなことを考えずに得意技を磨くことを考えなさい。”  と塾長から言われ、 “自分の本業である製造にもっと力を入れる。まず技術面の向上が必要です。私どもは、技術を高めることにいちばん力を注いています。”

“業界がどんどん変化していく中で、今まで経験したことのない業界で宿題をいただきながら、一つづつ解決していっています。今度の不況は貴重な教訓を残してくれました。” と岡田さんは実直に語っておられます。

これは企業が生き延びる為に必要不可欠な考えだと思います。さて、私の会社で、得意技は何だろうか、将来どう伸ばしていこうか、誰に担当してもらおうか等と考えています。