盛和塾 読後感想文 第二十四号
一歩一歩夢を実現する
若い頃は、人生で偉大なことを成し 遂げたいという夢を持ちます。年老いても夢を持ちます。どちらにしても、夢を実現するためには日々身を粉にして働かなければなりません。
“千里の道も一歩から” と言われています。意味のある努力をたゆまず続けることによってのみ偉大なことが達成できます。
一歩一歩が積み重なり、周囲や仕事に相乗効果が生み出され、目標への歯車が早くなると思います。また、さらに大きな成果につながります。
一歩一歩努力を重ねることが出来るように、自分の夢を見続けることが大切だと思います。夢をいつも思うことこそ、努力を続けさせる原動力です。
魂を磨き続ける人が真のリーダー
- 不況だからこそ問われるトップの哲学
様々な倒産劇を見てみますと、人間は浅はかで、醜いものと言えます。“人生一寸先は闇だ。”とよく言われています。一流大学を出て、経営トップに坐った方々が一転して奈落の底へ落ちていく記事をよく見ます。企業のトップが不況に遭遇した時にどういう心構えをしているか、トップの持つ心が大事です。
- 魂を磨かないと道を外す
塾長は語っています。“事業がうまく展開できることは自分の心を高める、心を磨くということと一緒。魂を磨くとは “人間として何が正しいか” ということを貫くことだそうです。
経営というのは、利益を追求しますが、その利益を得るのには道がある。ただ儲ければよいのではなく、利を求めるには道がある。人間として正しい道を踏んで利益を求めることが大切です。
人生というのは、心を、魂をどれくらい純化できるか、浄化できるか、深下できるかということが目的です。それを実践した結果、企業が繁栄し、従業員が幸せになり、お客様や取引先も幸せになるということが大切です。こうしたりっぱな企業経営を行うことが、又、その努力をすることが心を、魂を磨くこととなると思います。
- 信仰心
心を純化・浄化・深下するには2つの方法があります。
・ 戒律を守ること。お釈迦様が説かれた戒律を、人間として、してはならないことを守ろうと努力する。
・ 利他行を行うこと。人さまのために善きことをしよう、世のため人のために尽くそうという利他の心を持つ。
この両者が相まって、心が磨かれる。塾長は理性で、心の純化・浄化・深下を考えておられたが、得度式を終え、仏門に入って、お釈迦様に弟子入りをしたという実感をもち、信仰をもった、と述べています。
- 経営の場における “六つの精進”
経営者は従業員を雇い、その家族を養っています。そのことは利他行だと言えます。その為には経営はりっぱなものでなくてはなりません。経営者がりっぱな利他行をするため、心の純化・浄化・深下に努めるためには精進がいります。
・ 誰にも負けない努力をする
・ 謙虚にして驕らず
・ 毎日の反省
・ 生きていることに感謝する。会社が存続している、従業員が働いてくれていることをありがたいと思い、感謝する
・ 善行・利他行を積む
・ 感性的な悩みをしない。どんな困難に遭遇しても決して心を悩ませるような心配はしない
以上の6つの精神を実行することにより困難に打ち勝つようにする。
- 魂を磨こうと努力する者は救われる
自分はお釈迦様の説かれる戒律も守れそうにない、利他行も充分出来そうにないというのが我々です。
しかし、戒律を守る努力を自分がしている限り、お釈迦様は救ってくださると信じることが大事です。戒律を守れなくても反省をする人は救われるのだと心から信ずるようにして日々事業にはげむようにすべきです。
- リーダーたるべき人は正邪を峻別できる人
日本のリーダーは自分自身をコントロールする内的規範を失ってしまった。判断の基準を持っていないリーダーは、みんなの真似をする。過去からの慣習に基いたりして物事を決めていく。何が善意なのか、何が正・不正なのか、正邪を峻別する厳しい判断基準を持たない。
リーダーたるものは偽りがあってはならない、利己的であってはならない、わがままであってはならない、奢りの心があってはなりません。日本では大変な才能があり、器用で、やり手で、能力のある人たち、能力一辺倒でリーダーを選んできています。才能は大切ですが、それよりもリーダーとして一番の資質は “公平無私” をもっているかどうかで判断すべきです。
われ虚心に経営を語る
“旬(じゅん)・おいしく、やさしく。” その目標がすべての原点 (株)西利専務取締役 平井達雄さんの、おつけもの店は一貫した経営哲学。 “旬、おいしく、やさしく” を守ってこられ、伝統を生かして、製品の開発、人の縁(周囲の人々からの支え)を生かし、また既成概念を破られる勇気を持たれ、会社経営にあたられておられます。
特筆すべきは “商売の転機” です。ビジネスモデルを大胆に変えました。卸売からの撤退、小売へ転換、売り上げは1/3に落ちたとあります。大決断です。ほとんどの企業、私共の事業でも売り上げを2/3なくして は 商売のモデルを変更するのは出来ないと思います。自分達で作ったものを、自分達の手で売る。おいしい、食べごろのおつけものだけをお客様にお届けする、と確固とした信念があったからこそ、ビジネスモデルを大胆に変えられたのだと思います。
もう一つは伝統を守りつつ、地道なこつこつとする努力。新しいつけもの、新しい市場の開発・開拓はどの製造業でも必要だと思います。