盛和塾 読後感想文 第四十一号

日本人の経営はは国境を越えられるか。 

  1. 欧米と日本の経営 

塾長は日本の文化と欧米の文化の違いに起因して、日本企業が海外で成功することが困難となっていると述べられています。 

欧米の人々は海外での経営が日本人よりはるかに豊富です。例えば、イギリス連邦内には50ヶ国以上の国があります。公用語は英語です。自動車のハンドルは日本と同じ左です。欧米人は400年以上にわたって海外との交流があり、国境を越えて経営をしてきました。日本はそうしたグローバルな経営を経験した企業がないと思います。 

トップダウン方式と合議制、実力主義と年功序列、トップと従業員との給与格差、契約社会と信用社会、明確な意思表示とあいまいな意思表示、マニュアル化する欧米と、自分で考える日本、と塾長はキーポイントを述べておられます。 

  1. 日本人が持つ精神性 

日本人の精神性は自然と調和した暮らし、真心を大切にする人間関係を大切にしてきました。契約がなくとも信用、信頼、誠実、善意、謙虚を基調にして、日本人は長らく、生活してきました。欧米は侵略と略奪の歴史を繰り返してきました。従って、自己主張、悪意に対する対処等、日本とは異なる環境を長年経験してきました。 

“情けは人のためならず。” 相手に良かれと願う行為は、相手だけではなく自分の心を高め、自分にとっても良きことが帰ってくるのだと思う日本人。“思いやり” は必ず自分に戻ってくるというものだと塾長はも述ベています。これが日本人の精神性です。 

  1. 京セラクループ統括会社社長、ロドニー・ランソン 

ロドニー・ランソン社長の社内報での意見には学ぶべき点が多いと思いました。ここに引用させていただきます。 

「国家や民族によって、文化に違いがあります。しかし、ビジネスをやっていくうえでの哲学や人生を生きていくうえでの基本原則は結局同じものです。例えば、仕事で成果を出すように努力すること、また社会のために善きことをしたいと考えること、崇高な宇宙の摂理を信ずること。それらはどの文化であっても、どの宗教であっても真理てあり、普遍的であるはずです。 

文化の違いにより、様々な障壁はあります。たまにはフラストレーションもあります。しかし、それを乗り越える中で、ひとつの絆に気づくはずです。私自身はキリスト教徒ですが、宗教の違いを超えた精神的なレベルにおいては、京セラグループの中にあってまったく矛盾がないのです。次元の高い哲学、理念、理想と、いうものを共有すると、障壁は必ず乗り越えられるのです。」 

日本人が持つ精神性と素晴らしい倫理観を前面に打ち出して経営していく方がよいのではないかと塾長は言われています。