盛和塾 読後感想文 第四十二号

  1. 人生に働く二つの法則

 人生を支配する二つの要素 -運命と因果応報 

我々の人生には “運命” というものが定まっていると塾長は延ベています。我々が歩んできた人生の中では病気になったり、交通事故に遭ったりある人と結婚する等いろいろな偶然と思われることが起きます。生まれてから死ぬまでに起こることは運命によって決められているそうです。我々は運命を予測することは出来ません。 

ところが、その人の “思い” と “行為” によって人生が変化を遂げていくのも事実です。いわゆる、 “因果応報の法則” が存在するのです。因果応報の法則が “運命” に作用し、人生を変えてしまいます。因果応報の法則はすぐに結果は出ません。善きことを為し、善きことを思ったからと言って、いい結果が出るとは限りません。時が経過して結果が表れることがあります。又、我々の目から見たところ、良い結果は悪い結果と判断しても、天から見た場合、長い目で見た場合は我々の判断とは異なることがあるのです。

災難は天が与える素晴らしい贈り物 

我々が若い頃遭った苦労、不幸は決して人生にマイナスではなく、あとの幸福を生み出す試練である。人生で成功した、尊敬される人々は、若い頃大変な苦難に直面し、その苦難から学んだという話がよくあります。苦難に遭ったからと言って、人生に成功するわけではありません。苦難を真正面に受け取り、逆境を乗り換え、逆境を自分に与えられた天からの試練と捉えて、努力する人だけが人生に成功すると思います。

苦労が魂を磨き、努力が人を練りあげる

創業者の方々の中には、お金もない、技術もない、教育もないにも関わらず、唯一心に働くことにより、周囲の人々から尊敬され、立派な指導者になられた方が多くおられます。勤労を通じて、心を磨き、人間性を高めてこられた方々だと思います。 

幸運に恵まれた時と災難に遭遇した時の心構え

塾長は延べています、 “幸運に恵まれたときに有頂天にならず、驕り高ぶらない自分自身を戒めていくことです。”  “災難に遭遇した時は、嘆かず、恨まず、愚痴らず、その災難を真正面から受け止め、前向きに明るく努力し続けることです。”

こうした姿勢を保つ為には日頃から心を高め、人格を研く努力が必要です。塾長の教え経営の原点12ヶ条(添付)、6つの精進を毎日唱和し、従業員、お客様、仕入れ先の方々と共有していくこと、機会ある毎に自分に言い聞かせることが私にとってはすべてだと思います。また毎日の仕事の中でこれらの経営哲学を、どう実践したか、反省することが私には必要となっています。

 

  1. 人間としての金メダルを目指したい  東海大学体育学部教授  山下泰裕 

オリンピック金メダリスト、東海大学体育学部  山下泰裕教授は、自分自身がきわめた道を更に将来に向かって努力をしていかれるという強烈な決意とその決意に至った経験を述べておられます。 

人生を導いてくれた二人の恩師 

中学生時代、熊本市立藤岡中学校で柔道部の監督をしておられた白石礼介先生。“全国制覇を目指して、みんなが一生懸命に頑張る。これはすごく価値のあることだ。しかし単にチャンピオンになるよりも、もっともっと大事なことがある。それはこうして勝利を目指して頑張ったことを、社会に出てから生かせる人間になることだ。柔道のチャンピオンになることも素晴らしい。だけどもっと素晴らしいこと、価値のあること、大切なことは、社会に出て役に立つ人間になること、社会に出て活躍できる人間になることだ。人生のチャンピオンになれる様に頑張りなさい。こういう話を繰り返し、繰り返し聞かされた,と山下教授は述べている。 

東海大付属相模高校の機、東海大学柔道部監督、佐藤宣践先生。 先生のお宅に下宿させていただきながら、 “学んだことは言葉ではなく先生の後ろ姿や行動からも多く学んだ” とあります。”  人生を通して学び続けることの大切さです。誰の話にでも素直に耳を傾け、良いと思ったことは実行に移す。”

この二人の恩師を見て、山下教授も “将来は指導者になりたい教育者になりたい。” と思ったとあります。この二人の恩師は次世代の日本の柔道指導者を率先水範して、育てたと思います。後継者育成の基本だと思います。 

優れたところに光を当てると、人は輝く 

柔道選手を育てる時に、柔道部4年生のB君というやる気の乏しい生徒がいた。迷惑だから、早く退部してほしいと思っていた。 

ある時、白血病の子供を助けるための輸血確保の依頼を受けました。手術も成功し、子供も退院して、皆が喜んでいました。その子供の母親が御礼に山下教授を訪ねて、涙ながらに、語った。 “B君は入院中の子供の見舞いに何度も来て、子供を元気づけてくれました。バスを何回も乗り換えて来てくれて、ありがとうございます。” 

山下教授ははっと気が付いた。B君を一面だけから判断して、B君の人格までも低く見ていたことに反省された。 “私は学生の一面だけを見て決めつけ評価していたのです。柔道部にいる時の姿だけを見て、この人間はやる気のないダメな奴だと決めつけていたわけです。まだ未熟な学生たち、若者たちを見ていくときは、一面だけを見て評価してはならない。全体的に、多面的に見ていかなければならないということを彼を通して学ばされたのです。” “我々一人ひとりには誰にでも必ず素晴らしいところがあり、また必ず足りないところ、未熟なところがあります。素晴らしいところに目を向け、光を当ててやることによって彼らは輝き始めるのです。”

私もこのような間違いを過去に何度もして来ました。従業員の素晴らしいところを見つける努力が必要だと思います。その為には日頃から自分自身、心を高める努力、自分の心眼を研くことが必須条件だと思います。 

夢とロマンを持ち続ける 

山下教授は言います。 “いくつになっても前を向き過去を語るよりも今とこれからのことを夢とロマンを語る人間でありたい、そういう生き方をしたいを思っています。” 

私も同感です。周囲には沢山興味のある,夢のあることが多くあります。どれを事業としてやるのか、迷うことがしょっちゅうです。お客様の経営上のお話を伺うと、アイディアがどんどん出てきて、私の仕事は、面白く楽しいことが多い様に思います。