盛和塾 読後感想文 第四十三号

人生について 

  • 1. 人生を形作る 運命 因果応報の法則 

人はそれぞれ “運命” というものを持って生まれてきていると思っています。運命には個人、家族、社会、国、地球の運命と、色々な運命があるように思います。自分がどんな人生を辿って行くのか、誰もが興味を持っていると思います。色々なことに遭遇して、我々の人生が作られているわけです。 

人によっては運命を信じない方々もおられます。又、信じる方々もおられます。

しかし、人は誰しも自分が将来どうなっていくのか知りたいと思うのです。運命、人生の出来事は解らないですが、けれど、我々はそれなりに自分で努力して良い人生を送りたいと日々生活しています。どういう努力をしたらいいのか、どうしたら自分が納得できる人生を歩めるのか、皆考えていると思います。 

仏様の教えの中に、“因果応報の法則” というものがあると説かれているそうです。それは “善い事を思い、善い事をすれば、善い結果が生まれるし、悪い事を思い、悪い事を行えば、悪い結果が生まれる。” という単純明快な因果応報の法則というものがあるそうです。 

人生は “運命” と “因果応報の法則” により形作られていると塾長は結論付けておられます。自分に、運命という定められたものがあるかどうかは判らないですが、人助けをしたりして、人から “ありがとうございました。” と言ってもらえると、“あっ、気持ちがいい。ありがたい。” と誰しも思います。そうすることによって社会に認められ、“人生意気に感ず。” と思えれば、自分の人生は良いと思うに違いありません。 

  • 2. 運命を変える因果応報の法則 

人は、“自分は運命によってコントロールされており、自分の運命は決まっている。”と思う方もおられます。 

中国の役人、袁了凡(えんりょうぼん)という人が書かれた本  “陰隲録(いんしつろく)” の中で彼は、ある老人に、“あなたは科挙の試験に合格し、最後に地方長官に任ぜられ、53歳で死にます。” と言われ、その通りの人生を歩んできたと言っています。袁了凡さんは、老人の言葉を信じていたそうです。 

ある日、禅寺で座禅を組んだ機、老師に会い、 “人生は運命によって決められているだけではなく、人に対して、社会に対して善き事をすれば、運命も変えられる。” ということを学んだ、 と陰隲録にあります。袁了凡は、善行を続け73歳まで生きたそうです。運命は変えることが出来る。これを立命と言う、と袁了凡は述べています。 

  • 3. 因果応報の法則の正しさ 

因果応報の法則は、“善い事を思い、善い事をすれば、善い結果が生まれ、悪い事を思い、悪い事をすれば、悪い結果が生まれる。” ということですが、実際には必ずしもそうはならないことがあります。それは運命的に悪い時期に善い事を思い、善い事をしても善い結果は生まれて来ない。逆に運命的に良い時期に悪い事を思い、悪い事をしても悪い結果が生まれて来ない。こうなりますと、因果応報の法則は間違っていると思われるかもしれません。それには2つの理由があります。 

一つは、運命には良い時期と悪い時期があり、因果応報の法則が表面に現れないことがあるという事。二つ目は、善い事を思い、善い事を行っても善い結果が出るのに時間がかかることがあり、悪い事を思い、悪い事をしても、悪い結果はすぐに生まれず、後手に生まれることがあるという事。 

長い目で見ると、因果応報の法則は結果が合うようになっていると言われています。30年40年という長い時間で見ると、辻褄が合っているそうです。 

  • 4. 人生にいかに対処するか 

運命と因果応報の法則により、我々の人生が左右されるとすると、人生の波乱万丈をどう乗り越えていくか、誰もが考えると思います。 

災難に遭った時は、自分に与えられた試練だと考え、前向きに対処していき、災難を与えてくれた自然に、神様に感謝します。良い目にあった時には、その事に感謝し驕り高ぶらず、自分の幸運を周囲の人々にも分かち合う謙虚な心で過ごすことが大切です。 

  • 5. 人生の目的は 心を高めることにある 

我々経営者は立派な事業経営をして、従業員、株主、取引先を幸せにし、事業を成功させて自分も素晴らしい人生を生きようとしています。事業を立派にしていけば、従業員の物心両面での幸せを満たすことが出来、社会にも貢献することが出来ます。この目的の為、因果応報の法則に基づき、善い事を思い、善い事を行う。すなわち、“心を高める” ことが必要だと思います。心を高めるとは、我々の魂を磨くことです。

人生の目的は、善き事を思い、善き事をなし、魂を日々磨き続けることだと塾長は述べています。

 

不況をいかに乗り切るか 

不況に強い高収益経営 

本当の不況対策とは、不況になってからではなく、好況の時から不況に備える経営を行っておくこと。つまり、高収益こそ不況に対しての本当の対策、備えなのです。税引前利益最低10%を確保すべきと塾長は述べています。 

  • 1. 全員参加による営業力の強化 

営業人の強化の為、受注減で暇になった製造部門から応援部隊を結成し、営業部隊に派遣します。顧客の生の声により新製品を開発し、新しい顧客を増やし、新しいマーケットを開拓する、“全員セールス” により、積極的な受注拡大、販売の促進を図ります。 

  • 2. 新製品開発に全力を尽くす

不況になり、暇になった時にこそ、新製品開発に全力を挙げる絶好の機会です。

製造部門が新しい客先を求めて営業にまわり、そこで得られた新製品に対するニーズ、新しい客先のニーズを聞き、それを基に新製品開発をします。“不況の時こそ、技術陣、営業、製造、マーケティングも協力して、全社一丸となって新製品の開発に努めます。

 

  • 3. 原価を徹底的に引き下げる 

原材料、副資材、外注加工費のすべての仕入れ価格を引き下げます。その為に 新しい素材を見つけます。細費は細分化して削減する方法を考えます。製造工程の合理化を考えます。全社の組織を見直し、不要な組織は無くし、他の組織と統合します。 

  • 4. 生産性を落とさない 

不況により工場の稼働率が下がります。余った人材はほかの仕事に廻し、一人当たりの生産性を落とさないようにします。製造の仕事が半分になれば人員も半分にします。 

  • 5. 不況時の人間関係 

不況時にはよく、レイオフすることがあります。もしできるならばレイオフをせず、全員の雇用を確保する為、労働組合と充分話し合い、一年間、又は、一定期間の給与の昇給を見送り、あるいは賃金の一律カット、ボーナスカット等を考えます。不況になりますと、人間関係にひびが入るようなことが色々な分野で発生します。好況の時から会社は、従業員同士が助け合い、コミュニケーションを積極的に促進出来るように努めることが必要です。 

業績が回復した機には、昇給見送り、賃金一律カット、ボーナスカットは支払うよう、従業員の苦労に報いる必要があります。 

  • 6. 不況をバネに飛躍する 

不況時には機械、設備、不動産等の値下がりが起きます。又、建設工事代も下がります。こうした機に、設備投資を計り、次期の景気拡大に備えます。不況時にこそ企業格差が大きくなるのです。