盛和塾 読後感想文 第四十六号

情けは人の為ならず 

因果応報の法則について 

  1. 運命と因果応報の法則 

私たちの人生のいろいろな出来事は、自分の意志や遺伝子の力が及ばない領域があります。運命ということです。 

以前の読後感想分でもふれましたが、因果応報の法則-善根は善果を生み、悪根は悪果を生むという法則が私たちの人生に大きな影響を及ぼすと塾長は繰り返し述べています。思ったこと、行動したことが原因となって結果が生じるということです。運命と因果応報の原則が同時並行的に私たちの人生を作り上げています。 

中国の古典 “陰隲録” という本に書かれている “袁了凡” が禅宗の雲谷禅師に教わり、自分の人生を変えて行った話、袁了凡が息子に言います。 “なあ息子よ。人生とは善きことを重ねることで変えられるものなのだよ。”  因果応報の法則を実践していくことにより、自分の運命に大きな影響を及ぼし。運命を変える(立命)ことが出来ることを自分の実体験を通して、袁了凡は私たちに教えています。 

  1. 京セラ三田の再建 

三田工業という複写機メーカーが1998年に倒産し、京セラの傘下に入り、再建されました。京セラミタと社名を変更し、京セラから社長を派遣し、7年、前倒しして 400億円の負債を完済したそうです。 

  1. サイバーネット工業の再建 

22年前に再建を引き受けた時、再建を引き受けて間もなく、とんでもないものを背負ってしまいました。サイバーネット工業には過激な新左翼系の労働組合があり、組合活動家が会社以外の件で仕事をしない、京セラの誹謗中傷をする。稲盛和夫を悪徳経営者と呼ぶ等こうした非難を数年にわたり、京セラはじっと耐えたそうです。 

京セラミタの再建をした社長はサイバーネット工業で工場長をされた方だったそうです。サイバーネットの人が京セラミタを救ったのです。サイバーネット工業を救済する善きことをしたにもかかわらず、大変な苦労を強いられました。しかし愚痴をこぼさずに、サイバーネット工業の再建に努めてきたのでした。その結果、三田工業再建の先兵になったのがサイバーネット工業にいた工場長だったわけです。 

このように善きことを思い、善き行いをすれば、善き結果が生まれますと塾長は語っています。 

情けは人の為ならず 情けを他の人に賭けるのは自分の為なのだということを教えられました。

難しいことをこのように解りやすく説明することが出来る人は少ないと思います。