盛和塾 読後感想文 第四十八号

ガラス張りで経営する 

全従業員が経営に参画して行くことにより、企業は成長・発展し続けると思います。全従業員が経営に参加して行く為には、従業員に経営情報を即座に開示していくことが前提となります。 

その経営情報は従業員に分かり易く、従業員が活用できるものでなくてはなりません。

ガラス張りの経営 - 隠すことをせず、オープンにすることにより、役立つ経営情報が共有されると自然と会社内に信頼関係が生まれると思います。従業員一人ひとりが心をひらき、オープンに仕事をすることが大事と思います。 

中国の経済発展について 

  1. 中国の繁栄が長く持続するために 

中国は経済先進国の一員として、世界の経済社会でたいへん大きな役割を果たして来ました。13億もの国民が情熱と熱意をもって努力をすれば、中国はますます発展・成長していく、と塾長は語っています。 

しかし、国、企業が発展し成長していきますと、様々な問題が発生し、その成功を長く持続することが難しくなることがあります。 

大企業病です。経営者や社員が安定と保身を優先し、新しいこと、未知のことに挑戦しようという気概を失い、形式主義や官僚主義がはびこるようになり、企業は活力を失い、衰退の道をたどるのです。 

もう一つは企業の経営管理体制の不備です。成功を収めた多くの企業が放漫経営に陥ってしまうのは、成功し発展して行く過程で、実践的な管理会計の原則とシステムを確立することが出来なかった為だと思います。 

会社の売上高が巨大化したものの、部門ごとの業績が明確になっていない為、どの部門で利益が出ているのか、あるいはどこで損がでているか定かではない。そのうち手の打ちようがなく、企業が倒産してしまう。 

  1. 経営管理の原則 

中国経済が健全な発展をし続けるためには、中国企業の経営管理体制を強固なものにすることが大切です。 

塾長は経営管理の原則、七ヶ条を述べています。 

・キャッシュベース経営の原則 -現金の動きに焦点を合わせる。

・一対一対応の原則 -資産・負債・売上・原価・経費 -取引には会計資料が必ず必要。

・筋肉質経営の原則 -無駄なもの、余分なものは購入しない。無駄なものは処分する。

・完璧主義の原則 -曖昧さや妥協は排除する。

・ダブルチェックの原則 -複数の人が取引をチェックし合う。

・採算向上の原則 -社員一人ひとりが採算意識をもって仕事をする。

・ガラス張りの経営原則-心をベースとした経営。従業員の信頼関係を構築する。 

これらは盛和塾機関紙第二十二号に詳しく説明されています。私の読後感想文の中でもまとめてあります。 

  1. 政治と徳治 

中国の江沢民主席は法治と徳治の両立が必要だと述べられたそうです。法治とは、合理的に経営を進め、企業を永続的に発展させるということです。徳治とは中国人民が古来培って来た人間としての徳 - 中国の精神的規範や倫理観をベースとして企業の経営哲学を確立し、全社員と共有するという考えです。 

精神的規範や倫理観とは“人間として何が正しいか、この正しいことを正しいままに置く”姿勢だと塾長は語っています。つまり天道-天が指し示す道理に従うことだそうです。 

京セラは、精神的規範-あらゆる人間の “共感” を得られる哲学を企業内に確立して、共有することが出来たために、発展して来ました。 

  1. 王道 

経済大国になった中国、強大な軍事力を有する中国は、第二次世界大戦で日本が犯した覇権主義に陥ることなく、王道に沿った国家運営-徳をもって行う-を将来にわたって実現していくことを塾長は要望されました。