盛和塾 読後感想文 第五十四号

試練を通じて成長する 

塾長は “人生を終えるときに、立派な人格者になった人もいれば、そうでない人もいる。人生を歩む中で、自らを磨き人格を高めることができたかどうかです” と語っています。 

人間は生まれた時は原石のようなもので、後天的に磨き上げることではじめて、素晴しい人格者になります。 

人間は“試練”に遭遇し、その中で努力し、困難なことを経験することが人間を大きく成長させるのです。“試練”はそうしたチャンスを与えてくれます。偉大なことを成し遂げた人は、必ず試練に遭ったと言われています。 

塾長は鹿児島県出身の西郷隆盛 - 明治維新の功労者の例をとり、試練が、西郷隆盛きたえ、人格を高めたことを述べています。 

友人と共に海に身を投げ、自分だけが後に生き延びてしまったことに西郷隆盛は心を痛めたそうです。また、島津藩の島津久光の逆鱗(げきりん)に触れ、2度も遠島の刑に服しました。そのような逆境の中でも西郷隆盛は東洋古典の耽読(たんどく)を通じて苦難に耐え、人格をひた向きに高める努力をしたといわれています。 

遠島の刑を許されて、島を出た西郷隆盛は人格と識見を備えた人物として人々の信望を集め、やがて明治維新の立役者になったそうです。 

苦難に直面した時に、打ち負かされて自分の夢をあきらめてしまい、妥協してしまうことがあります。その苦難に対して苦労をものともせずに、努力に努力を重ねていくのかどうかが人生の分岐点になるのです。 

成功さえも試練なのです。成功した結果、地位に驕(おご)り、名声に酔い、財に溺れ、努力を怠り、反省を忘れ、その後の人生は地に落ちたようになる人が多くあります。成功する “試練” に対しても苦難が伴うのです。 

困難に直面した時、成功した時、これを “試練” として考えるべきなのです。苦難に対しては真正面から立ち向かい、努力を怠らず、精進を積む。成功に対しても謙虚にして驕らず、真摯に努力を続け、反省を怠らないことを忘れてはいけないのです。 

試練は、神様が、我々に与えたものかも知れません。そして神様は我々の言動、人生を見つめているように思います。