盛和塾 読後感想文 第四十七号

“宇宙の意思”と調和する心 

この世には、すべてのものを進化発展させていく流れがあります。これは“宇宙の意思”だそうです。この進化発展は、愛と誠と調和に基づいている為、何億年も続いていると思います。この進化発展する宇宙の流れ、その巨大なエネルギーの流れに沿って、同調して人生を生きて行くと運命が明るくひらけていくと塾長は述べています。 

この宇宙の流れに逆らって人生を送ると、運命が間違った方向に向いてしまいます。 

これは、大きな川の流れにのって進むのか、あるいは流れに逆らって進むかということと同じことだと思います。 

宗教について 

  1. 廃仏毀釈(はいぶつきしゃく) 

江戸時代後期、日本人は西欧諸国が素晴しい近代国家になっているのを目の当りにして、日本を封建社会から近代国家へ導くために明治維新を成し遂げました。 

宗教を排除し、“廃仏毀釈”を実施しました。近代科学が発達し、科学技術が進歩して行く中で、怨霊、亡霊、幽霊というような目に見えないもの、科学的に証明できないものを信じるのは無意味だと考えた近代人は、自分達の目で見、耳で聞き、近代科学で証明できるものしか信じなくなっていきました。 

日本では仏教や神道、その他の宗教を“迷信”として捨ててしまったのです。迷信や崇などは人心を惑わすもので、信じてはならないとしたのです。 

  1. 道徳・倫理感を教えてこなかった日本 

近代化の中で、明治時代、日本人の生活から宗教が切り捨てられて来ました。明治政府は人間のモラルの確立として“教育勅語”を作りました。教育勅語は日本人の道徳観、倫理感を表わしたものでした。しかし天皇制に基づく中央集権国家の思想を示し、天皇を神格化するものでした。 

権力を握った軍部は、国民を統制し、侵略戦争を展開するのに都合のよいように、教育勅語を利用しました。軍部は忠君愛国の教育の為の道具として悪用しました。 

第二次大戦敗北後は忠君愛国の教育の否定と共に、教育勅語、日本人の道徳感・倫理感も否定されてしまいました。 

大半の戦後の教育を受けた日本人は、道徳感・倫理観を学ぶことが少なかったのです。その人達が親となっておりますから、その子供達にも日本の道徳観・倫理観を学ぶ機会がありませんでした。 

  1. 極楽浄土(ごくらくじょうど)を求めた昔の人々、現世利益を求める現代人 

仏教、キリスト教、イスラム教にしても、現世の利益ではなく、来世(死後)で救われるということを説いているそうです。仏教の場合、浄土真宗では、現世では苦労しても、阿弥陀如来(あみだにょらい)が極楽浄土へと救ってくれる。古くからの宗教は、苦しい現世を生き抜いて、来世で救われる、極楽浄土や天国で往生(おうじょう)することを説いているそうです。 

現代人は、死後の世界があることを信じている人は少なく、肉体が滅びれば、それですべて終りだと思っている人が大半を占めていると思います。教育のある人ほど、こういう死後の世界を信じないと言われています。それは、肉体が無になっていくと同時に、自分自身そのもの、つまり今もっている意識も無になってしまうと考えるからです。 

江戸時代までは、実生活の中で霊を信じていたわけで、病気にかかれば怨霊(おんりょう)に祟(たた)られたとして、加持祈祷(かじきとう)で治そうとしました。 

明治維新までは、神社は怨みを持って死んだ人の魂を鎮めるために建てられたそうです。偉い人を祀るのではなかったそうです。日本の神社は死んだ人の怨霊、亡霊が身近にいると信じていた為に、作られたものだったそうです。 

  1. 心の構造 - 魂の存在 

人間の心の構造を同心円で見てみます。 

“人間の心“

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理性:大脳皮質の前頭葉の脳細胞が司る論理的な考え方。事業経営、いろいろと考え戦略を練る働き 

感情:五感を司り、腹を立てたり、楽しかったり、喜んだりする機能

感覚:美しく見える、好き嫌いなど判断する機能 

本能:肉体を維持していくための機能。食欲、赤ん坊がお母さんのお乳をほしがる 

魂:前生から引き継いだ思いや行動・日々の思いが集まったもの 

真我:すべてに共通のもの、 “山川草木悉皆成仏(さんすいそうもくしっかいじょうぶつ)” 山も川も木も森羅万象(しんらばんしょう)あらゆるものに仏が宿る。人間の心の中心にある “愛と誠と調和に満ちたもの。”  真我は “真善美 ”    そのものを表します。

・真:正しいこと、誠、宇宙の真理

・善:良し悪しは感ずる感情・良い感情

・美:美しく見える感覚 

  1. 魂を磨く 

魂は真我を包んでいます。前生で経験したものでつくりあげた思い、意識が真我に覆いかぶさったものを魂というそうです。 

理性・感情感覚・本能から発信してくる意識を私達は受け取ります。忘れたもの、覚えているものもあります。 

受け取った意識は潜在意識として魂に残ります。潜在意識には体験したことや思ったことが蓄積されています。 

魂のところにその潜在意識があります。肉体がつくり出す(理性・感情感覚・本能)意識がすべて魂に吸収され、魂に蓄積されていくそうです。肉体が死んでも、その潜在意識は魂に、意識体として残ります。その魂は、生まれ変わって次の肉体に宿って現世に出てくるそうです。 

善因(善き事)をした人の魂は、善き事が貯金された魂としてよみがえります。一方、悪いことをした人の魂には悪い意識がたまり、次世代に引き継がれてしまうのです。 

立派な経営をしようと思ったら、経営を伸ばす努力だけではありません。善き事を思い、善きことを行う、心を高めることが経営そのものなのです。成功を長続きさせるには、心がりっぱでなければなりません。心がりっぱとは、魂のレベルが上がっていくことなのです。 

  1. 善きことを思い実行することが、現世利益をもたらす 

盛和塾月例会に参加する、盛和塾機関紙を読む、等も大事ですが、お釈迦様が説かれていることを、塾長が私たちに伝えていることを実践しようとすることが大切です。 

自分のまわりの人たちに少しでもよくしてあげたいという気持ち、利他の心を持たなければ、永続的な繁栄はないのです。自分の心を高める、善きことを積み重ねていけば、あの世へ行ったときに極楽往生するだけではなく、因果応報(善因は善果を生み、悪因は悪果を生む)、必ずよいことが現世でも起こってきます、と塾長は語っています。