盛和塾 読後感想文 第十五号

株式会社土屋ホームの土屋公三代表取締役社長 “経営者が哲学を持つことで、事業や社員が変わる。”  経営体験発表は、私に新しい経営のあり方を教えてくれました。

人を生かすことを知る

土屋さんは述べています。“朝5時くらいには現場に行っていました。というのは私自身が技術的に素人ということもあって一級建築士、二級建築士の方たちを朝早く迎えていっては車の中で技術的な指導を受けていたのです。工事の段取りや大工さんとのコミュニケーションのやり方、いろいろな日常業務の進め方などを教えてもらいながら現場仕事をしていました。”

この土屋さんの行動は、いくつかの経営思想に基づいておられることの証拠だと思います。 

  1. 現場主義 

絶えず現場から考える。具体的な日常の現場作業に精通することによって、経営判断をする。

  1. 謙虚な態度

自分の部下、他のプロフェッショナルの方々から学ぼうとする謙虚な態度は逆に人々から尊敬されると思います。

  1. 従業員との調和

従業員とのコミュニケーションをはかり、従業員の苦労を理解しようとされておられます。前の晩から現場で泊まり込みをしている従業員の仕事ぶりに土屋さんは感動したのです。

  1. 従業員の意見に耳を傾ける

新住宅の欠陥を指摘し、立て直しを進言する大工さんに驚き、大損を被ることを承知で、建て直しに同意した土屋さん。

此の大工さんが、現場監督、営業担当となり、社長にまで昇進したのです。これこそ、人を生かす、人を燃えさせる経営思想の実践です。私も実践しなければと思います。

社員自身の目標設定を尊重

注文住宅の仕事は営業は夜、家庭に行き、奥様と話しをすることが多く、従業員への負担も大変なものです。営業担当の従業員の家族の方々の支援がなくては営業はできません。 

従業員が生き生きと仕事に打ち込める為には従業員が私生活でも仕事の上でも目標を持つことが大事であると土屋さんは考えられました。従業員自身の目標設定をいちばん重視するようになったそうです。個人と家庭とそして会社の経営方針の融合を考えられました。

個人の目標、(家計、健康、趣味、心、文化、教養、家庭、親類)と、会社での目標、この両者を考えた目標が不可欠と土屋さんは言われています。1年後、3年後、10年後の目標を毎年設定してもらうようにしているとのことです。この目標を自分のビジネス手帳に書き写して毎朝見るように勧めています。 

全員参加型経営 会社グループ全体を独立採算方式で経営、各事業部の成績を検討するようにしておられます。経営数字や会計システムに、不慣れな従業員に対しては36冊のテキストを使い、特訓をされておられます。14年間もこの特訓を続けておられます。独立採算方式を各事業部の従業員が分析し、対策を打てるように経営改善に役立てるようにしておられます。 

やろうと思えばできるものだと土屋さんは、実践を通じて、学ばれたようです。“考え方” “ 強い願望” を強く持てば、我々の能力は無限だと言っておられます。 この最後の “考え方” 特に “強い願望” を持ち続けることが私の課題であります。