盛和塾 読後感想文 第二十号
お客様の尊敬を得る
商いとは信用を積み重ねてゆくこと。良い品物を安く、正確な納期で、お客様との良いコミュニケーションを維持し、奉仕の精神でお客様に提供することで信用は得られます。
お客様のビジネスを充分理解し、お客様の良き相談相手になるまで奉仕をしますと、信用以上に一人の人間として尊敬されます。例えば、お客様の事業継承問題とか、設備投資の相談とか、外部には相談することがためらわれるような案件の相談を受けるようになれば、尊敬されている証拠です。人を自然に敬服させる器量が尊敬される為には必要です。それには、経営者として立派な哲学を持つことが不可欠です。
中小企業から中堅企業へ、そして、大企業に発展する為に
京都には、高収益を出している優良企業が多くあります。ローム、ワコール、オムロン、村田製作所、任天堂、京セラ、等という高収益会社があります。どの会社の創業者も、技術的に秀でた人々ではなく、全くの素人でした。企業は初めから見込みがあってスタートするものではない。何の魅力もなさそうな事業を魅力のあるものに変えるのは、後を継いだ人間の才覚と経営者魂であると思います。
しがない仕事を高収益事業にした才覚
1. 京セラは流通部門を総合化し、事業として立派に成功させました。つまらないと思っていた仕事が、“一生懸命やったら儲からないはずがない。” という信念を持って取り組んだ結果、立派な事業になった。
塾長は語っています。皆が儲からないと思うような事を事業にするのが本当の事業家。“一生懸命やってるんだから儲からないはずがない。やりようによってはもっといけるはずだ。” ポジティブな方向で考え、限りなく可能性を追求する姿勢があるかないかで、物事の結果は決まるのです。
2. 下請けいじめは愛のムチ
松下さんの下請けいじめは、京セラを強くしました。京セラは、たび重なる値下げ要求に応えるべく、改良に改良を重ね、コスト削減に成功しました。この愛のムチのお陰で京セラは、鍛えられたと塾長は述べています。下請け業者の2/3が松下の値下げ要求に不平不満を述べていたといいます。京セラは松下に鍛えられ、感謝していると塾長は語っています。真に正反対です。この話からも、考え方一つで、苦しい壁を乗り越えて儲けるのが事業というもの、だと分かります。
3. 京都企業に共通する経営者気質
- 冒険心が強い
- 挑戦的
- 勝ち気負けん気が強いこと
- 創造力
- 正義感
- 陽気で積極的
何よりも共通しているのは、“努力家”であること。損益計算が分かる数字に強い人たち、であることです。
4. 発展の原動力は危機感と飢餓感
京都の経営者の方々は、最初は単品生産しか出来ない小企業でした。いつ商売が滞るかもしれない不安な状態で危機感、飢餓感の中にいました。ところが、素人ですから自由な発想が出来たのです。創意工夫を毎日毎日考えざるを得ませんでした。その目的の為に、専門家を採用し、新しい製品を開発していきました。そして、中堅企業へと成長していきました。
5. 事業の多角化
企業を安定させる為に、単品の事業から他の製品の開発へと事業の多角化を進めていく必要があります。主力製品の延長上に新しい製品を開発する。同じ分野で主力製品と同じような製品を作るという多角化が考えられるのです。多角化は、厳しい坂道を登ることを要求します。しかし、多角化しないことには企業の発展は出来ないのです。
6. 大企業へ
中小企業から中堅企業へ、中堅企業から大企業へと発展していく過程で、当初の金欲、名誉欲、我欲、等が利他の心へと経営者の精神が変化していく。我欲に固執する経営者はその後、失敗の道へと落ちていくのです。経営者が “謙虚にして驕らず。” という人生観、或いは利他の心を持っているならば、企業は発展していくと、塾長は私達に諭しています。
浮き沈みの激しいソフト業界(イマジニア㈱代表取締役社長 神蔵孝之)
神蔵社長は、“いかに人と違うことをするか。その為に、いかに才能を持った人を発見し、お付き合いをするか” “マーケットは自分で作るものだ。” と語っています。
私のビジネスもその通りです。付加価値の高いサービスを提供し、他のCPAが提供できないサービスをどう提供するかが課題です。
住宅建設業界でも、何年も変わらないありきたりな住宅を作るのではなく、発達したテクノロジーを利用したグリーン住宅、効率的な、機能的な住宅のデザイン、建築資材の改良等、差別化が必要です。こうした差別化は、新しい住宅市場を創り出します。新しい住宅のデザインは、アパート等の集合住宅にも応用できます。現在、アパートの家賃が高騰しています。安い家賃のアパートを作る為には、コンパクトなデザイン、グリーンテクノロジーを導入し、テナントの要求に応えることができるアパートを提供することが、必要となっています。