盛和塾 読後感想文 第二十一号

己の人格を作る

中小企業の経営者には(私もその一人)、自分の才覚のみに頼って目標を達成しようとして、冒険的な事業に次から次へと乗り出す人が多くいます。しかし才覚だけでは、たとえ一時的に成功したとしても、事業は長続きしないでしょう。

才覚や才能をコントロールすることにより、事業を長続きさせることが可能になると思います。事業を成功させ、長続きさせる為には、心を高め、徳のある人格を築き上げていく必要があると塾長は述べています。私も今、三社の経営をしておりますが、これを成功させ、長続きさせる為には自分の人格を研き、後継者を育てていく必要があります。それには毎日毎日の仕事の中で、心を高めることに努め、後継者と共に歩んでいくしかないと思います。

思いをときおこす 

創業者の方々の中には、いつまでも会社に執着心があり、ひいては身を引く機会を失い、一生会社の仕事をするという人がいます。

老害を撒き散らし、若い人から忌み嫌われていることに気が付かず、自分は会社のためになっていると信じて会社に出てくる人がいます。

後継者を育成する為には、会社の経営を実際に任せなければなりません。人は実際に経営の意志決定を仕事としてすることにより、経験を積み、成長していくのだと思います。その為には、創業者は、意識的に会社から離れることが必要なのです。 

私も現在75歳で、まだ現役で働いています。私は、ひょっとしたら若い人達の邪魔物になっているのではないか?私がビジネスを持ち込まないと、若い人達だけではビジネスを拡大することは難しいと思っているが、果たして本当にそうなのか?と、日々自問しています。

私はあと数年間は現役を続け、その後は若い人達にビジネスをバトンタッチしようと思っています。その後の人生は、社会奉仕の仕事を続け、自分の利己を抑え、利他の心を持って、世の為、人の為に尽くす老後を過ごそうと考えています。 

情熱は人間を変える(株式会社ピコイ 代表取締役 近藤 健)

白アリ駆除、木材保存事業、ハウスクリーニング、緑化事業、湿気ジェットポンプの製造販売等、多種多様なビジネスを展開されている株式会社ピコイ。 

  1. 社員に尊敬される社長になる

立派な人間とは、誇りを持った人間であると近藤社長は考えました。“うちのお父さんは立派だ。凄いお父さんだ。”と尊敬している家庭はきっと良い家庭です。近藤社長は誰でも解る言葉で、大切なことを述べています。これが、経営の基本だと私は思います。難しいことを誰にでも解るように説明する人は、本当にそのことを理解し、実践している人だと思います。

  1. ツッパリを喜んで採用

“勉強が嫌い、または全く出来ない”“生意気である”“髪を染めている”等、問題児としてコースを外れている人に対して、“根性据えてやって来い。赤点、ツッパリ大歓迎。”と近藤社長は云います。入社試験でも、試験の出来には全くこだわりません。元気の良さを重視して採用しています。

  1. 自らの手で社員を教育する

“よくうちの会社に勤めてくれたな。有難いと思っている。お前たちがかわいい。だから俺は、君たちを厳しく鍛えるんだ。”この言葉の中には、従業員が立派な人になってほしいという強烈な近藤社長の意気込みが伝わってきます。隣のおばさんに対して、“うちの子供を育てるのは面倒だから、お金は出すから育ててよ。” というのでは困ります。間違ってでもいいから、子供は自分で育てるべきです。自らの手で、自らの心で社員教育をしようと決心した、と述べられています。

  1. 自分の心の中を社員に語る

社員教育のスタートは、“社長はどういう人間か。”を語ることだと近藤社長は述べています。おそらく失敗談が多々あったのだと思います。話の種がなくなってきますと、社長は次第に勉強していく必要性を感じるようになります。そして、社長も勉強し、その熱意や努力が自然と従業員へと伝わります。 

  1. 思想なき団体は潰れる

この会社は何の為にあるのか。存在意義をより確かなものにするために頑張ろうというのが思想だと述べられています。上に立つ人間ほど社員に話をしなければなりません。

会社の使命、社長の人生目的、会社の存在意義を社員と時間をかけて、熱っぽく話し合うことが、会社の存続と発展に必要なのだと思います。