盛和塾 読後感想文 第二十八号

決して諦めない-誰よりも努力をする 

成功するかどうかは、たとえ毎日の地味な仕事でも、一歩一歩着実にたゆまぬ努力を続ける意志があるかどうかで決まります。 

高い目標-自分の夢-は一見、目標が高すぎて遠すぎて、達成できないかもしれないと私はしょっちゅう思います。その時は盛和塾の自分の読後感想文や 盛和塾の経営12カ条、6つの精神を読み直します。心に強い願望を持ち続けるのは、私には大変な努力が必要です。昨日 “気を引き締めたこと” が今日は弛んでしまい、明日は完全に忘れてしまいます。盛和塾の塾生の中に、同じように悩んでいる胸襟を開いて話せる友人を作ろうと思っています。 

塾長は語ります。“偉大な業績というのは、つまらなく思えるような毎日の仕事の積み重ねに他ならない。という事を忘れてはいけません。成功に至る近道はないのです。” “努力し続けることを放棄するまでは、失敗したとは考えないのです。” 

最後の塾長の言葉は私にとっては言霊です。 

科学技術を世のため、人のために生かす 

1. 科学技術の功罪 

科学技術は人類に豊かな生活をもたらしましたが、その反面、地球環境の破壊をもたらしつつあります。 

例えば、自分の家から出るゴミを自分の裏庭に捨て、そのゴミが屋敷の中に一杯となりつつあるようなものです。だんだんと家の中にまでゴミが溜まってきているのです。 

原子力発電による事故、そこから発生する放射能の被害、原子力爆弾・化学兵器による被害、フロンガスによるオゾン層の破壊、農薬・化学肥料による河川、海、土壌の汚染、二酸化炭素などによる温室効果ガス、ダイオキシン等による発がん性物質、化学物質がもたらす環境ホルモンによる生体への影響、DNA操作や、細胞の核移植によるクローン技術等、生命の本質へ迫るような技術の発達が、生命の尊厳に脅威を与える状況でもあるのです。

2. 神業を手に入れた人間に必要な心 

科学技術の発達が人間の生活を豊かにしてきたと同時に、前述のような弊害をもたらしました。 

科学者は豊かな専門知識と優れた能力を備えており、人一倍強い熱意を持ち、努力を続けています。そして立派な業績を上げてきています。 

神業を手に入れた科学者・人類は、地球環境の破壊をもたらし、生命の尊厳をも脅かす存在になっています。神業を手にした人類は、神業を発展させるだけではなく、そこから派生する問題をどのように解決するかという正しい考え方が今、求められています。 

特に科学者は、“能力”や“熱意”だけではなく、どういう“考え方”“人生観”を持つべきかという事を考えなければなりません。 

3. 人間の生きる道を研究する学問 

科学技術を発展させてきた学問の基本は、物理学-物の法則や原理-です。物質に対する探究が科学技術を発展させ、一部の人類に豊かな生活をもたらしました。 

しかし、世界の中で一部が豊かな生活を享受してきたのであって、地球の人間の多分半数以上の人々が、技術の発展の恩恵を受けていないと私は思っています。科学技術の発展が塾長の述べている様々な地球環境の破壊につながり、海面水位の上昇、旱魃発生等が発展途上国の人々に害を及ぼしているそうです。 

従って科学者は、自分達の考え出した神業は何の為に誰の為になのかを考えることも必要です。塾長は、この考え方を “道理” と呼んでいます。人間の道を研究する学問が物理学と同様に大切です。 

  1. 世のため、人のためという考え方 

塾長は語っています。人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力です。考え方次第では、人生・仕事の結果はプラスにもマイナスにもなります。いかに能力もあり熱意があっても、考え方に誤りがあれば、すべてがマイナス=失敗になります。 

考え方は自由です。人間には百人百通りの考え方があり、自由でしかるべきです。でも考え方は人生・仕事を成功に導くものであってほしいと誰しもが思います。 

誰もが人生・仕事に成功する為、自由な考え方を持って努力をしているとしても、“世のため、人のために尽くす。” という考え方が基本になければなりません。 

因果応報 (いんがおうほう) の法則にあるように、“善き心を持ち善きことを行えば、善きことが起きる” のです。 

  1. 宇宙の意志 

宇宙は150憶年の歴史があるそうです。宇宙は留まることなく進化を遂げて、今日の世界を作り出しました。宇宙には全てのものを進化・発展させる法則があるそうです。全ての生きとし生けるものを生成発展する方向へ導いていく意思-善因-が宇宙には満ち満ちている、と塾長は語っています。 

善因-世のため、人のために尽くすことは、宇宙の意志に沿ったことなのです。 

  1. 第二電電 

塾長は6か月も悩み抜き、“動機善なりや私心なかりしか。” と自問したそうです。自分には一転の私心も曇りもない、本当に “世のため、人のため” に尽くしたいというのが動機だったと語っています。 

そして、一番条件の悪い会社-第二電電は、全社員一丸となって競合他社に負けず成功していきました。 

  1. 世のため、人のために尽くす科学者 

科学者にとっても、学問上の業績だけで評価されるだけではなく、世のため、人のために貢献した人であれば立派な科学者であり、人生・仕事に成功した人だと思う、と塾長は語っています。 

塾長は言います。そうした科学者は “魂に与えられた勲章” をもらったのと同じです。科学者が身に着けるべき勲章は、研究の業績でも財産でも名誉でもありません。一度しか、人生でたった一度しかない現世で、どれほど善きことをなしたかということで与えられる魂の勲章こそ科学者の目標なのです。

 

自らの人格を磨きつつ、ブラジル農業の発展の為に邁進したい

MINAMI NOOKI代表取締役社長 忠孝) 

  1. 独立 

南社長は21歳で家を飛び出し、サンパウロ市の指物大工の見習いを始めました。父親から言われた言葉、“男は独立した仕事を持たねば生きがいなんて感じるものはない。” を忘れていませんでした。 

28歳で独立し、農機具の製造・販売を始めました。手先は器用でした。品物は出来た。しかし、自分で売らなくてはなりません。自分の足で売り歩くしかありません。品物を積んだ荷車をトラクターで引っ張りながら農家を一軒一軒訪ねる “行商” をしました。 

  1. ヒット製品 

コーヒー用の肥料散布機には色々な種類があったそうですが、農家の方々は必ずしも満足していませんでした。“肥料のふるい方に納得がいかない。” という不満でした。

MINAMIの散布機がこの不備を解消しました。この小型肥料散布機がMINAMIのヒット商品になりました。一生懸命工夫を考えた結果でした。 

  1. 限界まで努力した時、新たな展望が拓ける 

“一つの製品を生み出す為には、膨大なエネルギーを要します。全身全霊を傾けて、限界ギリギリの “もう駄目だ” という一線を乗り越えて精魂の尽き果てるかという時に、新しいモノが誕生する。” と南社長は自分自身の経験を語っています。これは誰にも負けない努力をする見本です。 

農業機械にとって、“軽い”、“なるべく簡単” これらはコストダウンにつながることとなります。 

ある時ふと、アイデアが頭に浮かんで作ってみたら、結果的に満足できる性能を得る事が出来たと南社長は述べています。 

いつも機械の事を考えていたから無意識でも思考が行われて、結果的にインスピレーションのような形になったのです。潜在意識に到着するほどの想いの表れだと思います。 

注文を受けても製造が追いつかない、あるいは修理に応じられないというのでは、二度と買ってもらえません。 

トヨタのジャストインタイムを学び、実践していったということでした。

・全部品を完全に揃える。

・顧客の売掛金回収でも、不渡り小切手を受け取らない。顧客管理を十分に気を付ける。 

こういうことは、全て、“真面目に物事を行うこと、自分のやっていることは正しいのだという自信を持つこと” という考え方で仕事に当たってきました。 

MINAMI NOOKIの経験は、塾長の素晴らしい教えを丁寧に実践されておられるものです。