盛和塾 読後感想文 第十八号

世代を超えて共鳴を得る

塾長は述べています。“人間として何が正しいか。” という普遍的な心理と原理原則がなければなりません。そうすれば、世代を超えて若い人にも必ず共鳴を得ることが出来るはずです。

若者が安易な方向に流れ、一生懸命働かない、と大人はよく言います。私は、本当は大人自身が日常の生活の中で、人間として何が正しいか、何が生きがいなのか、を若者に示すようなことをしていないということもあると思います。

大人達も若い時代があり、大人から “最近の若い連中は、、 “と批判めいたことを言われていたと思います。

若者に文句を言う資格は、私にはありません。若者の中には、私以上にチャレンジ精神を持って、仕事に夢を持って頑張っている人達が沢山います。

若者から共鳴を得る最良の方法は、行動で若者に “人間として何が正しいか” を示すことだと思います。

日本の自己革新は国民の手で

日本という国を悪くしたのは、実は私どもが悪かったのです。官僚が悪い、政治家が悪いと言っても、結局は日本の国民が政治家を支え、官僚を支えてきたのですから。日本という国を変えるには、我々国民が変わる必要がある。自己革新が必要なわけです。

塾長は、いつも自分たちの思いや行動が、そのまま表に表れると言っておられます。

自分の人生、自分の事業は、まさに経営者の心の反映である

お酒を飲んで、芋を食べているうちにリラックスしてきて、寒さも感じなくなった。事業がうまくいったり、うまくいかなかったというのは、私達の気持ちがそのまま反映されている。

自分の事業が、今うまくいっていない、非常に困っている経営者は、経営者本人の心が現実に反映されて、最悪になっていることが原因だと思われます。

自分の心のありようが、自社の会社の業績になるのです。非常に厳しい環境に、それに負けない大らかな気持ちを持つことが、経営者には大切です。

“自分が変わらなければ、相手を変えられない。” と書かれています。会社の業績が悪い時、あるいは従業員が思った通りに働いてくれない、お客様が増えない、業者の方々の協力がなかなか得られない、と周囲の人々が協力的でない場合、どう考えるべきか、どう行動をとるべきかという事態に直面することがあると思います。その時は、自分自身が美しい心を持ち、周囲の人に接していき、自分自身の人格を研ぐ努力をすることにより、周囲にも心の美しい隣人が増えて、隣人も変わっていくと思います。変わっていかないことがあった場合も、あせらず、あわてず、あてにせず、あきらめず、あたまにこず、自分自身を研ぎ、自分自身の心を高める努力をすることが、一番の成功への近道だと思います。

“私は真面目に一生懸命頑張っているのに、こんな目に遭わされています。” という人が多い様ですが、実は本人が周囲の人々に酷いことを言ったり、例えば怒鳴ったり、怒りを従業員にぶつけたりしていることが多いのです。私もそういう事態を目にした時、では私はどうなんだ、自分はそういう間違いをしていないか、と謙虚に反省する様にしています。 

塾長経営問答

1. 資金調達に悩んでいます。と塾長に相談されています。

売上げを伸ばし、マーケットシェアを拡大し、お客様を満足させる為に、工場設備資金が必要。従業員も増やす必要に迫られています。資金繰りに困っており、担保余力はほとんどない(すでに相当の借入金があり、これ以上、資金を借りる担保がない)。

塾長はこう答えています。今は拡大ではなく、会社の収益力不足に注目するべきで、収益力を高め、税引後利益率10%に焦点を合わせなさい。資金を借り入れする担保力はないですが、収益力が強い会社には銀行も貸付する条件を受け入れてくれます。収益力が担保となる、と述べられています。単に数量を追い求めながら会社を大きくするのは、非常に危険です、と塾長は指導しています。

セールスマンから会社を立ち上げた経営者に多い例だと思います。売上至上主義の経営は、“売上を最大” はいいのですが、“経費を最小限” を忘れているのです。設備投資を控えて、現状のままでどうお客様の要望に応え、収益率を高めるかに焦点を合わせることが肝要。 

2. トップとして何から取り組むべきか。

従業員全体を活性化し、低い利益率を改善したい。と塾長に相談されています。

(ビル管理会社/コンピュータシステム開発)

トップが自ら現場に出て仕事に精通すること。余計なことは無用、一件一件の独立採算性をみる、物件毎に細かく数字でみる。一物件の管理に人手は、経費は、収入は、一つ一つ現場に出て検討する。一件ごとの数字を細かく見るのはトップの仕事。

トップは掃除屋のおやじに徹するべき。掃除ならお任せください。どんな床でもぴかぴかにします。当社は世界一の掃除屋と言えることが大事。掃除用の道具、材料、安くて効率の良い方法、従業員との協働、いかに経費を削減するか、創意工夫をすることにより、高収益率を達成することが出来ます。

トップがモップを持ち、夜警をし、問題の全てを把握する。

汗まみれで働き、仕事に精通する。そうでないと創意工夫のしようもありません。

そうすることにより、収益力が上がり、従業員も自らやる気を出します。従業員全体を活性化するには、トップ自ら活性化することが肝要。

この問答は、私がすぐ実行するべきことです。昨日、この件につき、収益性を高める為、マネージャーから提案があり、会議をもちました。今後全従業員共々実践していくことになります。

このトップが現場に出向き仕事に精通するという考え方は、Muso & Co.の週報 “KIZUKI”に掲載します。

障害者に働く喜びを知ってもらって、社会に貢献できる企業として発展したい

(株式会社大谷 代表取締役社長 大谷勝彦)

新潟一のはんこ屋、株式会社大谷の大谷さんの障害者の人々に対する考えに、私は大賛成です。

障害者に対して、憐れみや同情の目で見る、経済的な援助で衣食住を心配することが福祉だと考える人が多い。障害者自身もそのような社会的風潮のもとで劣等感を持ち、引け目を感じながら特別扱いをして欲しいという甘えがあります。

大谷さんは言います。“そういった考え方がおきるのは、障害者にとって何が本当に幸せであるかという事を解っていないからです。“障害者であるがゆえに、人一倍働きたい、という彼らの気持ちを理解することが本当の福祉だと思います。”  障害者も自分の力で職業的に自立していきたいと思います。障害者の人達も世の為、人の為に役立つ仕事をしたいのです。

大谷さんは続けます。家庭訪問した機、“子供さんが途中で辛くなって諦める事があるかもしれませんが、本人にはきちんとした技術を身につけて一人前にします。どこへ行っても生活できるようにすることが、私どもの使命だと考えています。” 親は障害児の将来をいつも心配しています。大谷さんの言葉はまさに、親御さんの気持ちを良く汲んだ素晴らしいものです。

新たな経営理念で全従業員が一体となって働くと大谷さんは述べています。

“経営の目的は利益を上げることだけではない。利益は求めようと思って求められるものではなく、結果としてついてくる” “お客様に喜びと感動と満足を与え続ける” “利益はお客様の満足料なんだ。我々はお客様にお給料を頂いているという事を常に言っています。”

経営者の最大の仕事は、“お客様と従業員の不満を満足に変えることと、人間として豊かに成長できる教育を行うことである。”と大谷さんは結論づけておられます。

この大谷さんの体験発表は、私の心の中に沁みました。

私が関わっております、タイのストリートチルドレン救済事業にも当てはまる、大変貴重なものです。